新しいことに挑戦することは勇気がいることです。しかし誰でも人生におけるいろいろな段階で選択を迫られる場面に遭遇します。子供たちにとって最初の選択は学校選びです。友人を選ぶ、仕事を選ぶ、伴侶を選ぶ、転職を選ぶ、独立起業を選ぶ・・・定年後も再就職・趣味に生きる・ボランティアに従事するなど様々な選択肢があります。しかし大人になればなるほど、さまざまな制約やしがらみなどから選択の幅は狭められてくるものです。
そんなジレンマに陥っていながらも、一歩踏み出してチャレンジしてみようという人に対して背中を押してあげることは行政が政策として出来ることではないでしょうか。多様な学校選択のあり方、自殺にまで追い込むようないじめをなくすこと、自分のやりたいことを見つけるための情報や機会の提供、結婚や子育てに対する支援、起業家に成功してもらうための制度の策定、定年後の生活に対する情報の提供や、いつまでも元気に健康でいてもらうための指針作りなど、新しいことに挑戦する人を応援するために行政が出来る政策は多岐・多分野にわたります。
さまざまな政策を立案・実行していく際に私が政治家として心がけなければならないことは、その政策が挑戦者を応援する視点に立って出来ているかをチェックすることであり、既得の権益に守られている人や既存の勝ち組ばかりを保護することになってはいけないという視点を常に持ち続けることだと考えています。
人はそれまでうまくいっていた場合には、それが時代にそぐわなくなっていると気がついてもなかなか変えられないものです。大きな時代の変化を敏感に感じ取って、時代に合わなくなってしまったことは勇気を持って変えていかなければ時代には取り残されてしまいます。地方への分権が進み、都市間競争が激しくなっていく時代になると早い段階で変化に対応できた自治体とそうでない自治体とでは市民の暮らしの中にさえも格差が生まれてしまうことになりかねません。たとえ一時的には「痛みをともなう」こととなっても勇気を持って新しい時代にふさわしい形に行政の仕組みを変えていくことが大切です。
地方分権に向けたさまざまな法律、まちづくりのための法律、会社法や教育基本法など多くの法律がここ数年で新しく変わり、行政も企業も市民団体も学校さえも新しい時代に対応した変化が求められています。それぞれの組織が変化にしっかり対応していくことも大切ですが、これからはそれぞれの組織体がそれぞれの垣根を越えて連携していく時代がやってくると私は感じています。これまで行政が担っていた多くの役割が、これからは民間企業や市民活動団体に可能な限り委ねられていくようになります。
指定管理者制度という仕組みによって行政が主導してきた多くの施設が民間の運営になりました。ただ施設の運営を任されるだけでなく、施設の有効な活用を民間の知恵と工夫で出来るように制度を発展させれば、施設を持たなくても様々な事業の展開が考えられます。このように資本力の弱い小さな会社でも研究機関や大学などと連携・協働・活用などを通じて飛躍的に業績を伸ばすことも可能になるのです。
新しい時代には、これまでの常識を変えるような変化に着目できる柔軟な発想と、それを事業としてシステム化・モデル化できる能力が重要になってきます。行政と企業や学校が思わぬところで連携して、役割が終わったはずの施設や設備が再活用できて大きなビジネスに繋がったり市民サービスの向上に繋がったりということをこれからはどんどん進めていかなければなりません。そのためにはそれぞれが胸を開いて情報の公開を進め、柔軟に連携できる土壌作りを政策として行い、変えていく勇気を持った人々を応援していくべきだと私は考えます。
誰でも何度でも新しい挑戦ができる時代、柔軟に変化に対応できれば新しいスタンダードを作り出すことが出来る時代、それはすべての人にチャンスが広がっている社会だといえます。それはビジネスの世界のことだけでなく、私たちの生活にも直結するチャンスなのです。
自分のやりたいことがわからない子供たちにいろいろな仕事を試してみる機会を与えてあげる。学生がやりたいことがあるのに経済的な理由などで出来ないようなときには奨学制度などでチャンスを与えてあげる。一念発起して起業をしようという人・今の会社をさらに伸ばそうという情熱に燃える人・外国から来て横浜に暮らしている人、そういった人々に対して、様々な情報の提供や経済的・人材的な支援をする。子供を産んだ女性が子育てと好きな仕事を両立させるための応援をする。定年を全うした団塊の世代が、都心の企業で得た知識・技術や人脈を地元の中小企業で活用してもらう。お年寄りが寝たきりにならないように生涯スポーツを楽しんでもらったり健康を維持することの応援をする。障がいを持っている人でも自分の知識や技術や個性が活かせる仕事を見つけられて、やりがいを持って社会的に自立出来る仕組みを作ったり、そのためにバリアフリー機能を高める。
こういったことは行政が制度や条例を作って出来ることもありますし、既存のインフラをちょっと工夫することで出来ることでもあります。また、行政がコーディネーター的な役割を担って企業や学術機関や市民団体などと連携を図って実現させることも出来ることでもあります。これからは新しい施設の建設やインフラを整備することにお金をかけるよりも、知恵や工夫・既存の施設や設備の再利用・ネットワークや人材の活用などでこれらの問題の解決を図っていくべきだと私は考えています。横浜に住むすべての人にこのようなチャンスを提供し、目の前にあるチャンスに対して積極的にアプローチしていく気持ちを持ってもらえるようになれば横浜は新しい時代を先取りして日本で一番元気な都市になるはずです。